福祉館(以下、当法人)は、社会福祉法第2条第2項1号に規定する、第一種社会福祉事業の経営認可を受けて昭和52年に設立された社会福祉法人です。当法人の目的は、生活保護受給者、被保護者、行旅死亡人、生計困窮者(生活困難者)または身寄りがない方など、お身内に見送られることなく亡くなられた方々のお弔い全般のお手伝いをすることにあります。
近年の日本は、少子高齢化、格差社会、そして無縁社会などと呼ばれるようになってしまいました。地域社会だけでなく、さらに家族との結びつきさえも断ち切り孤立してしまう人、失業して家を持てない人など、独りだけでの寂しい孤独死を迎えざるを得ない方が年々増えています。
こうした方々の多くは、きちんとした「お別れ」を営むことができません。当法人では、こうしてお亡くなりになった方の人間としての尊厳を守り、この事業に賛同いただける葬儀社の式場にお迎えし、各寺院などの協力を得て、厳粛かつ丁重な葬儀を執行いたします。そして、ご遺骨を永代(永久)でお預かりする事業も行っております。
私たち日本人は、先人たちの多くの苦難・犠牲と引き換えに、戦後制定された日本国憲法で広範に人権が認められ、その果実を享受してきました。今の経済的繁栄などもその一つです。
しかし現在は逆にそれと大きく乖離している現象が起きつつあります。例えば、孤独死の増加が大きな社会問題となっています。人間として生まれ、そして人間としての人生の最期を迎える・・・。そんな当たり前のことさえ現在では困難になりつつあり、残念ながら誰からも弔われることなく、人間としての文化的生活を全うできない方が増えているのが現状です。また最近の価値観の多様化は葬祭の在り方にも暗い影を及ぼしています。散骨や直葬の増加は、あくまでも遺体の処理に重点がおかれ、そこには故人を「弔う」という視点が欠落しているように思えてなりません。
まさにこのような現象は、人権の尊重という憲法の精神とは全く相反する、「人間の尊厳」を著しく毀損するものではないでしょうか。
当法人では、そのような視点に立って、「無縁仏」となってしまった個々のご遺骨を合葬することなく永代(永久)にわたってお預かりすることこそが故人の尊厳を最大限に尊重するものと考え、かかる葬祭事業を極めて低廉な費用で実施してまいります。
また、一般の利用も可能です。(その数は過半数を超えないようにしています。)
何卒、当福祉館の助葬事業にご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
理 事 森 祐 哲